ECIP麻雀・その極意


目次

まえがき

このページは,ECIP(大阪大学情報処理教育センターの略称)に集いし 麻雀戦士の足跡とその極意を示したページである.通常の麻雀において 混乱する問題に対して可能な限り回答を与えてきたその積み重ねがいま ここで公開されている.洗練されてはいないながらひとつの柱を打ち立てる ことにより,ルールの拠り所となり,今後の麻雀におけるルール問題の 回答の規範となることと,ECIP雀士の闘いの更なる発展を期待する.

表現


通常ルール

ここでいう通常ルールは,一般に行われている麻雀において複数の 流儀や解釈がある部分について,我々ECIP雀士が採用しているルールである. 一部,一般的解釈と異なっている面もあるが,その点については我々が通常 行っているルールということで善意に解釈願いたい.

流れと定義

場の流れ
東南回しの半荘戦.東場は親の聴牌時を除き流局は親が 流れるが,南場は親以外の和了がない限り親は流れない. なお,誰かがハコ点となっても続行するが,明らかに一人 の勝利が確定的である場合には全員の協議によりその半荘を終了することがで きる.(適用回数: 2)
親のアガリ止めルールはない.
持ち点
27000点持ちの30000点返し.得点集計時,ウマは一家(トップ)に のみプラス12000点.集計は常に原点に近づくような端数処理を行う(30000点未満は 切り上げ,30000点以上は切り捨て).
西入
南4局終了時点で,一家(トップ)の得点が33100点未満の 場合,西場を開始する.西場は場風が西である以外には東場と全く同様とする. 西場を終了した時点でやはり同様に一家の得点が33100点未満の場合は, 南場同様の北場を開始するが,北場以降は,各局の終了時点で一家が上記得点 を確保した場合,その時点で終了するサドンデスルールとなる.
西場は最終局でも親が流れる.そのため,親の不聴で終了 する可能性がある.(適用回数: 1)
流局
流局は次の場合を指す.
  1. 和了のないまま全てのツモ牌がなくなった場合(荒牌)
  2. 九種九牌・四風子連打・四開槓・四家リーチ・三家和
  3. 冲和(チョンボ)
以上の場合には,次の親は場に積み芝(百点棒)を示し,流局があったことを示す. また,いずれの場合にも供託は場に残す.
流局時の罰符(不聴罰符)
流局の 1 のときは,不聴者が常に場に 3千点となるように分担して罰符を払い,聴牌者が等分配して受け取る. このときの聴牌は,形式だけ聴牌形式になっていて,振聴及び役未確定 でもかまわない.
アガリ放棄状態でも上記規則には従う.
和了(アガリ)
和了は積み芝が4本以下の場合は一飜縛りである. 従って,和了時点で一飜を確定させていなければチョンボとなる.確定に関しては 別記.得点はテンパネの形態を取り,得点が8000点を越えた場合,その得点を 8000点=満貫とする(20符及び30符の5飜以上,40符から60符の4飜以上…). ただし,「20符1飜」は「30符1飜」の1000点(実際は700点)として扱う.
30符4飜は7700点(親の場合11600点)である.
二家和(ダブロン)
二家和は同時に成立した和了とみなし,二家共に相応の得点を支払う.
積み芝
積み芝は 1) 流局時 2) 親の和了時 に示される百点棒である. 一般に親の不変期間を示し,積み芝ごとに,場に3百点の得点が追加される. さらに積み芝が5本以上になった場合,二飜縛りとなり,和了時点で二飜が 確定しない場合チョンボとなる.積み芝は子(散家)が和了した時点で0本にな る.
懸賞牌(ドラ)
ドラは表・裏・カンドラ・カンウラ全てありとする. 表示牌の次の牌を懸賞牌として扱い,ひとつごとに一飜増す.ただし,懸賞牌 以外に無飜の場合は和了できない. それ以外の花牌及び赤色牌は使用しない.なお,慣習的に三人打ちの場合のみ, 北を常時ドラと扱う(が,抜きドラではなく,通常のドラとして扱う).
王牌
王牌は常に14枚で,槓によって嶺上牌が減少した場合でも, 海底牌を手前にずらすことによって対処する.なお,嶺上牌は最大でも4枚で ある.
冲和(チョンボ)
チョンボは以下のものを対象とする.
  1. 和了できない形での和了(不聴冲和)
  2. 和了できない形で立直を宣言し流局した場合(不聴冲和)
  3. 多牌
  4. 振聴状態での栄和(振聴冲和)
  5. 振聴状態で立直を宣言し流局した場合(振聴冲和)
  6. 無飜での和了(役無し冲和)
  7. 二飜縛りのときに二飜分の役が未確定の場合の和了(役無し冲和)
  8. 二飜縛りのときに二飜分の役が未確定の状態で立直を宣言し流局した場合(役無し冲和)
チョンボ及びその局の続行を不能とした場合,その時点で各家に満貫和了分 の得点を支払う.
振聴
振聴は,次の場合を差す. 和了出来る牌がいずれか一つでも含まれていれば全ての和了形について振聴とする.
多牌・少牌
多牌はツモ時点で手牌が15枚以上,ないしは通常時に 手牌が14枚以上あることを指し,発覚の時点でチョンボとする.少牌は ツモ時点で手牌が13枚以下,ないしは通常時に手牌が12枚以下しかないこと を指し,発覚後,次の巡目のツモ時捨牌をしないことで枚数を整えるが,その 局はアガリ放棄となり,和了を禁止される.
供託
誤ポン・誤カン および誤リーチなどの発声誤りは場に1000点の供託とする.誤ロンは発声のみ の場合,それ以降の和了を禁止する以外の供託罰符はない.また,局の続行 に支障のない程度山を崩したりした場合には1000点の供託を払う場合もある. これはその人のポリシーの問題であり,強制はされていない.
供託受取
場の供託は,門前和了の時点で和了者 が受け取る.なお,二家和(ダブロン)の場合は,放銃者から見てさきに ツモの来る者が供託を受け取る.南4局など最終局になりうる局面においては, 局終了後和了点を清算した時点で西入など次局に進む得点となる場合は供託は 通常通り取り扱い,それ以外の(次局に進まない)場合は以下の順序で供託を取る者を 決定する.
  1. 最終局にて和了者が一人の場合はその者が受け取る
  2. 和了者がいない場合は一家(トップ)が受け取る
  3. 和了者が二人いる場合
    1. どちらか一方だけが門前であればそちらが受け取る.
    2. どちらも門前もしくはどちらも門前でない場合は,放銃者から見てさ きにツモの来る者が受け取る.
包(パオ)
包は大三元の3刻子目,大四喜の4刻子目を哭かせ,役満を 確定させた場合に成立し,自模によって役満が成立した場合に哭かせた者が 全得点を支払う.
クイタン
断公九はチー・ポン及び明槓・加槓がある場合にも有効となる.
ツモピン
門前清自模が役に含まれる場合,平和役は失われる. この場合,自模による2符は有効である.

「確定・成立」あれこれ

チー・ポン・カンの確定
ポン・カンは発声した時点で確定する.そのため誤発声は1000点の供託とする. チーは発声の後(実際は発声不要),チーをするための手牌を場にさらした時点 で確定とする.
チー・ポン・カンの成立
全て,哭いた家がその時点の捨牌を打牌し,それが他家の和了の対象と されなかった時点(カンの場合は嶺上牌の和了時点を含む)で成立とする.
従って,槍槓の場合,そのカンは成立しないため,4個目のカンであっても, 四開槓および四槓子とならない.また,打牌が和了された場合も同様である. また,一発役も同様にこの打牌まで有効となる.
カンドラの有効タイミング
カンドラの表示は,暗槓の場合は確定時,明槓・加槓の場合は成立時と する.ただし, カンドラ・カンウラは表示タイミングが異なることを除けば,有効になるのは カンが成立したときである.
故に,槍槓及びカン直後の捨牌による和了では カンドラは無視され,嶺上開花ではそれが明槓・加槓であってもカンドラ は有効となる.
四槓子・四開槓の成立
四槓子は4個目のカンが成立した時点で和了とする.同様に,四開槓も 4個目のカンが成立した時点で流局となる.
九種九牌の成立
親は配牌時,子はチーポンカンのない1巡目のツモの時点で,手牌に9種類以上の 公九牌がある場合,全ての手牌をさらすことで成立し,流局となる.
一発役の成立タイミング
一発役は,リーチと同巡目で,チーポンカンが成立していない場合にのみ有効 となる.ゆえに,チーポンカン直後の打牌による和了は一発役の対象となる.
役の確定
役の確定は原則,「現状の聴牌で,どの和了牌を持ってきてもかならずなんらか の役が存在する」という規則に基づいている.以下,ケースごとで見てゆく.
  1. 片アガリ状態(69筒待ちで9では役がなくなるケースなど)では, 役が確定しておらず,和了できない.
  2. 門前でのツモ時は,常に「門前清自模」という役を確定出来るため, 門前清自模のみでの和了が許される.ゆえに二飜縛りでの「立直 門前清自模のみ」は許される.嶺上開花のみも同様とする.
  3. 同様に,海底牌のみが場に残っている状態は,全家が海底及び 河底の役を確定できるため,「海底撈月」「河底撈魚」のみでの和了 が許される.
  4. 特殊な場合として,白板と緑発のシャンポン待ちは,どちらが 来てもかならず一飜役が確定するため,和了が許される.また,
    (チー 789) 999III一一一三
    などの形状の場合(待ち二三)も純全帯公九 と三暗刻のどちらかの役が確定するため和了が許される.
流し満貫の成立
流し満貫は,自分の打牌が一度もチーポンカンの対象とならず,全て公九牌で ある場合に,荒牌時(ツモ牌が全てなくなった時)に満貫の和了が成立する. なお,和了者が面前であるかどうかにかかわらず,供託は受け取れない.
従ってこの局は流局ではなく,和了が起こったものとして積み芝を取り扱う.

役一覧

一飜役
リーチ後
一発
門前のみ
立直(リーチ)・平和・一盃口・門前清自模
哭き有効
断公九・風牌(自風/門風)・三元牌・嶺上開花・槍槓・海底撈月・ 河底撈魚
二飜役
門前のみ
ダブル立直・七対子(25符換算)
食い下り
三色同順・全帯公九・一気通貫
哭き有効
連風牌・対々和・三色同刻・三槓子・三暗刻・小三元・混老頭
三飜役
門前のみ
二盃口
食い下り
純全帯公九・混一色
六飜役
食い下り
清一色
満貫相当役
流し満貫
役満
門前のみ
天和・地和・人和・国士無双・九連宝塔・十三不塔・四暗刻
哭き有効
字一色・緑一色・清老頭・大三元・小四喜・四槓子
ダブル換算
大四喜・純正九連宝塔・国士無双十三面聴・四暗刻単騎
特殊役
最大三飜役
中西
倍満相当役
センター長
役解説
ダブル立直
チーポンカンのない第一ツモでのリーチ.
天和
親の配牌時に既に和了形になっているもの.
地和
カンのない親の第一打牌で子が和了するもの.
人和
チーポンカンのない子の第一ツモで和了するもの.
十三不塔
親は配牌時,子はチーポンカンのない第一ツモの時,以下の条件 が成立している場合,役満相当和了とする.1. 対子がただ一組ある.2.その組み あわせ以外にはどの任意の2牌を組みあわせても対子あるいは塔子ができない.
混老頭
実質的には混老頭 + 対々和(あるいは七対子) = 四飜役.
小三元
実質的には小三元 + 三元牌(2) = 四飜役.

特殊ルール


用語・頻出語


ECIP雀士リスト

リストは順不同,敬称略.名前の後は和了した役満である.
kuramoto@ics.es.osaka-u.ac.jp