休日 〜 僕の中の「きみと僕」 〜

 どこへいこう? なにしよう?
 そう考えたときから はじまる休日

 白い砂と 海! はしゃいで駆け回るおひさまのした.
 ふうっと大きく深呼吸して また駆け出すと
 おひさまがあきれて にが笑い.

「海を眺めても,幸せ.キミを眺めても,幸せ」
「どっちが幸せだい?」
 立ち上がってのびをして はにかんで
「両方!」

 まるいたま どうしてこんなところに あるのかな?
 でも ちょうどいいおおきさだし なんだかなつかしくて たのしいから
 ゆるしてあげる.

 打ち寄せる波に 白いスニーカー.
どこまでも青い海 どこまでも青い空
澄んだ瞳 何が映ってるの?

 うーんっ,これぞ休日ぅ!


 大自然のなす青に 幾何学的な白い線
 きみはいつもの服を着て
 不思議な統一感の中に ちょこんとおさまって
 夏のある一日

「たまにはこういうのもいいじゃんか」
 営業スマイルとスーツを脱ぎ捨てて 生意気なポーズ
 いたずらっ子の瞳 いたずらっ子の心 純な姿
……たまには,そういうのもいいね.

 うっとりと見上げる表情に どきっとする 瞬間
 見慣れた顔,見慣れない表情 たゆとう流れる 瞬間

「素敵だよ」
「おだてても何も出ないわよ」
 そういうきみの表情が いちばん素敵な贈り物


 公園の滑り台 いつも以上に
 きみが幼く見えて いつも以上に
 きみが可愛く見える 公園の滑り台


いきつけの喫茶店(カフェテラス)
 待ったふりをして僕を困らせるけど
  うそをつけないきみの 微笑みがあって
 だけど僕は気づかないふりをして
いつものふたりだけにしかわからない 戯れ(ゲーム)

「コーヒーなんて飲めたっけ?」
「今日はあなたとここでコーヒーを飲む.そういう気分なの」
 変わらない日常にちょっとしたアクセント
 キリマンジャロは ほんのすこしほろ苦く 深く 甘い気分

今日のきみと僕は モノクロームの無声映画 言葉なんていらない

 気取ってみせて おどけてみせて だけど
 時折みせる 素顔のきみと 目があって
 きみがほほえむ 僕が微笑む 時は流れる


「ちょっと買い物つきあってよ」
 普段着のきみが まぶしくて 刹那 言葉を失う

「へへーん,運転席占領ぅ!」
「おい,それ俺の車だっての!」
「やーだ,離さないもんね〜っ!」

 いつもとシートベルトが反対で
 いつもより視界が右寄りで
 いつものBGMの代わりにきみの笑い声
 贅沢三昧.


 眠らない東京 見上げる光の塔 明日は日曜

 黄昏 夕闇 摩天楼 ただ立ちつくす 幾億の社会支える街
 不意に 崩れそうな闇の世界 きみは立ちつくす 幾億のひとり

 お眠りなさい 立ち並ぶバベルの塔よ


 なにもしない
 ただ きみを見ているだけの 午後
 なにもしない
 きみもただ 僕を見ているだけの 午後
 なにもしない
 それだけで 幸せに浸れる 午後

 安物クッションを抱いて 籐椅子に座って 微笑みかけている 僕の女神(Venus)

 日差しの来訪に 窓を開いて迎え
 一緒にそよ風が 心地よい香りを乗せてくる
 今日は 精一杯のおもてなしをしよう
 いつものお礼 しなくちゃね


 眼前にカンバス 手にペンキ 心に太陽 そして ひまわり

 ひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわり
 ひまわりわたしのまぶしいなつのひきらきらさせてよひまわり
 ひまわりいっぱいあつまれげんきにがんばれだいすきひまわり
 ひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわり

 キャンバスのサイズは すぐに小さくなっちゃうの
 イメージは無限の広がり
 ペンキの色だって もう足りなくなっちゃった
 フィーリングは瞬間の輝き
 そうだ! ほんもののひまわりに会いに行こう!


 ふときみを見し一秒
 この一秒の永遠ならんことを祈るは傲慢なるや?


 花壇の列の中に 大輪の華
「そんないいもんじゃないよ」って顔をして


 豊饒の女神が 色づき始めた葡萄を見上げている
 美味なる果実酒は まだ早ければ 女神は
 ちょっといたずらっぽく 頬を膨らませて 笑う

 本当のきみは 隠せない
 どんなに落ち着いた やわらかなワンピースに身を包んでも
 Say Cheese!
 ひょいと足あげ いつものポーズ

「こんなところなら,住んでみたいなぁ…」
 不意に僕に視線を向けて,ささやくようにつぶやいた
「ね,一緒に住もっか?」
 真意は きみの謎めいた微笑に隠されて…

 背中をまるめ ちょこんと腰を下ろして 見上げるきみは 仔猫のよう
 ぎゅっと抱きしめて 連れて帰りたい


 のんびりと散歩 ちょっとくたびれて小休止
 ひやっとした煉瓦の壁と 涼しい風が 眠気を誘う 昼下がり

 まるでおとぎ話の古城のような門に立って
 お姫様きどりのきみの姿 白馬の騎士が見とがめたら
 はたして何といって愛を誓うだろう?
 それとも悪い魔女がやってきて
 何といって呪いをかけるだろう?
 答えは絵本の中


 久しぶりに外食.青空のもとで食事ができると聞いてはしゃいでたきみ.
終始笑顔を絶やさないでいたきみを見つめていられて,僕は久々に幸せな
休日を過ごしている.
 きみはがぜん食欲もでてきたみたいで,ダイエットもなんのそのと次々
にいろんなものを食べてる.幸せそうなきみ.財布は痛いけど,それ以上
に僕も幸せを感じている.

 そばに水のきれいな渓流が流れている.涼しそうな風景を眺めていると,
きみが車を止めさせる.裸足になってせせらぎに飛び出す少女の君.屈託
のない笑顔がはちきれそうになって,ジャブジャブとはしゃぎまわる.僕
はそんなきみを岸から見つめられる幸せな時間を過ごす.
 転ばないかと時々心配になりながら,あるいは服が濡れそうになるのを
気にしながら水のかけっこをしたり,子供の頃よく遊んだ水切りや,名も
知らない小魚をすくって….
 僕は少年になり,きみは少女であった.まぶしいせせらぎにフィードバック
する少年時代のせつない想い出…僕は不意にきみを呼び止める.顔を上げ,
にっこりと笑って僕を見る.
 少年は大人になり,少女もまた….


 念願叶って 一面のひまわり畑!
 思わず抱きしめる一輪 赤くなったりして.

 ひまわりは太陽の子供 地球に降りてきたおひさまの使い
 それでも父さんが恋しくて いつも父さんの方ばかり見てるんだって

 菊池も頑張るから,おまえも頑張れよ,ひまわり!

 みんな仲間 おひさまの子供たち だからみんな元気
 みんなの元気をありがとう 私の元気も受け止めてね
 たくさんの仲間に囲まれてしあわせいっぱい ひまわりの楽園

 私の心のひまわりも 仲間だよ

 仲間のしるしに これ,貸してあげる.
 また,会いに来るからね.


(おまけ)
右上:ハーイ,これを読んでるそこのキ・ミ! 買ってくれてありがとうね〜!
   どうだったかなぁ? 私のフォト&エッセイ集は?
右下:え? よかった? 素敵だった? そーでしょそーでしょ,そりゃもう,
   この菊池志穂の本ですものねぇ,ぐふふふっ.
左上:「菊池さ〜ん,ヘアメイクずれるからあんまり暴れないでくださいよぉ」
   あ,ごめんなさいっ(しょぼん)
左下:てなわけだからそこのキ・ミ! 次回もヨロシクぅ! でも企画も何にも
   できてないけどね(笑)