ポケットにときめきメモリアル

「一目惚れを信じたのは,誰?」


編集:倉本@阪大情報(No.0000000021)


Act 0.館林見晴


(あっ……あれは,あの人だ! どうしよう,いきなり話しかける なんて変だし,えーっ,どうしよう,どうしよう.あー,もうそこ まで来てるのに!)
(えい,なるようになれ!)
 ドンッ!
「あっ,ごめんなさい」
『いや,別にいいけど……』
(やったぁ,これで顔ぐらいは覚えてもらえるぞ)

Act 1.藤崎詩織


(あっ……)
(どうしよう,一目惚れしましたなんて,言えないし……そうだ, わざとぶつかって,お詫びにわたしがデートに誘う.よーし,これ でいきましょう!)
 ドンッ!
「あっ……ごめんな…」
『前見て歩けよ,詩織』
 つかつかつか……
(もう,だから幼なじみなんて最低……)

Act 2.清川望


(あっ……いつも気になるあいつ……あの人が来た.どうしよう, まさかいきなりデートなんか誘っても,変に思われるだけだよな. でも,この機会のがしたら後なんてないかも知れない.どうしよう)
(そうだ,ここはわざとぶつかって,顔を覚えてもらおう.それ から始まるんだ……あ,来た!)
「えいっ!」
 ドカッ!
『ぐあったたたたた!』
「あっ,手加減なしにやっちゃった……」

Act 3.早乙女優美


(へへーん,優美だって好きな先輩ができたんだぁ.でも,こんな 子供っぽい優美じゃまだまだだめ.ここは思い切って,デートの お誘いに行くぞ! 優美だって女らしいところ見せるんだ!)
(あーっ,先輩だ! よーし.ここはきっかけを作るために ひとまず偶然の出会いのふりをするぞ……)
 ドンッ!
「あの……」
『おい優美,何やってんだ?』
「げっ,お兄ちゃんいたんだ……忘れてたーっ」

Act 4.古式ゆかり


(殿方に一目惚れ,なんていう気持ち,初めてですから,いったい どうすればいいのか,お母様にも相談できないでいるのですが…… あら,向こうからやってこられるのは……)
(いったいどうしましょう,そうですわ,ここはまず,私のことを 覚えてもらうためにも,一度偶然を装って出会うというのはいいか もしれません.この,廊下の角をすれ違ったときにぶつかれば, きっと殿方の覚えもめでたくなると……)
『……それでさあ,聞いて驚けよ.この好雄様がおまえに教える……』
(あっ,あの…….)
(通り過ぎてしまわれました……はぁっ)

Act 5.鏡魅羅


(この私が一目惚れなどとは,信じられないですわ.でも,私の 気持ちに正直にならなければ,また過去の二の舞になってしまう…… あっ,あの人が……)
(ここは体を張って,あの人に私の美を見ていただくしかないわ)
(それっ!)
「あっ! 鏡さんが男にぶつかる!」「みんな,壁を作れ!」 「薄汚い男に鏡さんを触れさせるな!」「おーっ!」
 どしっ.
「あ,あらみんな,いたの……」
「ハイ,鏡さん!」
『……さすがは恐るべき鏡魅羅親衛隊……』
(んもう,こういうときはじゃまなんだから……)


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