ポケットにときめきメモリアル

「意・味・深」


編集:倉本@阪大情報(No.0000000021)


Action 1.早乙女優美


夏の海.好雄と優美ちゃんと3人で遊びに来た.
好雄は相変わらずナンパに精を出しているようで.俺や優美ちゃんの ことはおかまいなし.で,ちょっと沖に出て俺と優美ちゃんは水上 鬼ごっこ.
今は,優美ちゃんが俺を追いかける番だ.ふとみると,優美ちゃんの 姿がない.優美ちゃんは結構泳ぎには自信がある.きっとどこかに潜 って俺を狙っているにちがいない.俺は辺りを見回した.
ざばっ!
突然,真後ろから抱きつかれる.やられた!
「やっと捕まえたぞ,先輩.もう,ずっとこのまま,離しませんから ね……」

Action 2.紐緒結奈


プラズマによる超光速情報転送実験が成功した.突然助手に大抜擢さ れた俺は,その世紀の瞬間を目の当たりにした.その内容の奇抜さと 結果のすばらしさに,俺はつい(自分の実験でもないのに)小躍りし て喜んだ.
隣に立つのは,きらめき高校一の天才科学者,紐緒結奈.しかし,そ の目はそれほど感動的な光をたたえてはいない.
俺が,うれしくないのかと尋ねる.彼女は俺の方を,やや憂いを含ん だ複雑な瞳で見つめ返す.
「私には,どうして時間を止める力がないの……たった今,この瞬間 を私は永遠に止めておきたいのに……」

Action 3.朝日奈夕子


今日は調子が悪いんだろうか?
普段なら楽勝でハイスコアを塗り替える彼女が,今日はつまらないミ スだらけ.時折見せる大道芸に,俺の方を振り返る仕草は普段のまま なのだが.
俺は冷たいコーラを渡す.彼女は目で合図をして受け取る.俺は調子 の悪い彼女に何かあったのか尋ねる.とたんに,怒ったようなはにか んだような,よくわからない表情で俺に怒鳴りつけた.
「んもー,超信じらんない! あなたが超ニブいからに決まってるで しょ!」

Action 4.藤崎詩織


詩織が学校の玄関にいた.外は大粒の夕立.俺は傘をそっと差し出す. 並んで帰るのは何年ぶりだろう? 小学生の頃,よく俺は傘を忘れて 詩織の傘に入って帰ったことがあった.こんなふうに,逆の立場など 一度もなかった.
この歳になるとさすがに多少気後れがする.
俺は詩織に,まるで恋人みたいだねとささやく.
詩織がつぶやく.
「みたい……なのかな」

Action 5.古式ゆかり


俺は思い切り背伸びをして,芝生にごろりと大の字になった.
快晴のきらめき中央公園.俺は隣に腰を下ろしている彼女の方を見た. 彼女は麦わら帽子のつばを軽く押さえて,まぶしい太陽の光をあたた かそうに浴びている.不意に,俺の方を向いたので,俺は笑顔を見せ る.彼女もまた,俺にほほえみかける.
「このまま,ふたりでいつまでも,ボーッとしていたいですね……」

Action 6.館林見晴


え,俺? 俺は別の女の子と待ち合わせなんだけど…….
動物園の入り口でいきなり声をかけてきた女の子は,変な髪型の妙に 明るくて元気な女の子だった.その女の子は,俺の方をまじまじと見 つめながらいう.
「うーん,でも,姿格好も顔も年頃も性格も,あなたそっくりなんだ けどなぁ,私の好きな男の子って」


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