「あれっ,お久しぶり,だね」 3年ぶりに,彼と会った.高校の頃の彼そのままだった. ずっとずっと,一目惚れだった彼そのままだった. (でも,まだ好きなの……) 「最近,どうしてる?」 喫茶店に誘ってくれた彼.ちょっと日に灼けたかな? 私も彼も,大学3年生.あのときから,3年. (でも,まだ好きなの……) 「こんなところでふらふらしてて,いいの?」 彼は,伝説通りの幸せもの.彼女と仲良くしているって. 私も実は,彼氏持ち.彼ほど素敵じゃないけど. (でも,まだ好きなの……) 「えーっ,変わってない? そんなことないよ.」 こんな風に,お茶に誘ってくれる日が来るなんて,思わなかったよ. あのころが懐かしい,けど,もう大人になっちゃった,かな? (でも,まだ好きなの……) 「今度は,飲みに行こうよ」 結局レシートを取られておごられた.優しさもあのころのまま. つい,また会う約束.あのころには,できなかったのに. (でも,まだ好きなの……) 「彼女,連れておいでよ」 嘘だよ.ふたりっきりで,あのころできなかった恋がしたいの. 大人になっても,歳を取っても,消えない,あなたの面影. (だって,まだ好きだから……) -- fearturing with 館林 見晴 --