単独起動可能なinstall kernelの作成

• 必要なもの
  • 該当のバージョンのFreeBSDをインストール可能な作業用のマシン
  • 該当のバージョンのFreeBSDインストールメディア(ftpでも可)
• 作業手順
  1. OSのインストール
     作業用マシンに該当のバージョンのFreeBSDをインストールする。 インストール方法に関してはここでは取り扱わない。 最低限、kernel-developper以上(kernel sourceは入れる) でインストールすること。 もちろんOSを入れた後で追加で入れても構わない。 なお、この作業で作業用マシンの環境自体は壊すことはないので、 すでに(該当バージョンの)FreeBSDがインストールされたマシンがあれば、 それをそのまま使っても構わない。

  2. mfsrootの用意
     インストールディスクに含まれるmfsroot.gzを何らかの手段で抽出する。 方法としては、
     • boot.flpを2.8MBディスク(?)に書き込む、 もしくは'pseudo-device vn' を設定したkernelで起動して、vnconfigなどでmountして抜き出す。
     • mfsroot.flpから上記同様(FDは1.4M)の方法で抜き出す。
     • インストール用のCD ISO-IMAGEの/boot/mfsroot.gzをコピーする。
     • make releaseなりなんなりで自分で作る(w
     抽出したら、gzipで解凍しておく。解凍後のファイルサイズを見ておく。

  3. kernelの作成
     次にインストール用のkernelのうち、 ベースとなる部分(mfsrootのデータを含まない)を作成する。 /usr/src/sys/i386/conf/GENERICを適当な名前(ここではINSTALL)コピーし、 必要な設定を追記する。あとは普通にkernelを作成する。 ただしmake installはやらない。 もちろん作業マシンのkernelがさしかわってもよいなら実行してもよいが、 何のメリットもないと思われる。
     下記で、4320が指定されているが、これはmfsrootのファイルサイズ(kb単位) で指定する。4.7-RELEASEのmfsrootであれば、4423680byte(4320Kbyte) であるから、4320を指定している。もしサイズが違うようであれば、 ファイルサイズ似合わせて指定することになる。
     なお、いらないデバイスなどをコメントアウトしてkernelを作成すれば、 特定のマシンに特化したinstall-kernelを作成することも出来る。

     	# cd /usr/src/sys/i386/conf/
     	# cp GENERIC INSTALL
     	# echo "options         MD_ROOT_SIZE=4320" >> INSTALL
     	# config INSTALL
     	# cd ../../compile/INSTALL
     	# make depend
     	# make
     	

     これでkernelが(/usr/src/sys/compile/INSTALL/kernelに)できるので、 どこか(mfsrootと同じところ)にコピーする。
  4. kernelへmfsrootのデータを組み込む
     すでに利用されていないが、かつてのboot.flp作成時に使われていた、 /usr/src/release/write_mfs_in_kernel.cをコンパイルする。 もし手元にないのであれば、cvswebあたりから入手が可能なはずである。 とってきたら、gccでコンパイルする。(オプションとかは特に不要)

     	# cp /usr/src/release/write_mfs_in_kernel.c .
     	# gcc write_mfs_in_kernel.c -o write_mfs_in_kernel
     	

     このプログラムと先ほど作成したkernel/mfsrootを用いて、 mfsrootデータいりのkernelが生成される。

     	# ./write_mfs_in_kernel kernel mfsroot
     	

     なお、このコマンド実行後も、kernelのサイズは代わらない。 不安であれば実行前にmd5を取っておき、比較するとよい。

• 注意
  5.0-CURRENTでは未検証である。おそらく可能であるとは思われるが・・・・。

  (2003.02.26追記) 5.0-RELEASEおよびCURRENTでも可能であるが、write_mfs_in_kernel.cが そのままでは動かない。適当に修正してコンパイルするか、 write_mfs_in_kernelだけ4.xで使うとなんとかなる。